御同朋の社会をめざす運動(実践運動)

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「教区意見具申」掲載について

重点プロジェクト基本計画

総合基本計画・重点プロジェクト

1.総合基本計画

宗門(浄土真宗本願寺派)では、1986(昭和61)年より「御同朋の社会をめざして」という目標を掲げ、「基幹運動(門信徒会運動・同朋運動)」を進めてまいりました。全員聞法・全員伝道を提唱する門信徒会運動では、教化団体の活性化や門徒推進員の養成などを通して、組・教区活動を活発化させてきました。また、同朋運動は、私と教団のあり方を問い、部落差別をはじめとするあらゆる差別・被差別からの解放をめざすことを通して、人々の苦悩に向き合う活動を充実させてきました。

基幹運動の成果と課題を踏まえ、さらに教えを広く世界に伝えていくこと、また従来の枠組みを超えた多様な活動を、より広く実践していくことをめざし、宗門では、2012(平成24)年4月から、運動名称を「御同朋の社会をめざす運動」(実践運動)とあらため、宗門全体の活動として進めています。

『仏説無量寿経』には、あらゆる世界に生きるすべてのいのちあるものが、阿弥陀さまのはたらきによって分け隔てなく救われていくことが示されています。生きとし生けるものすべてを等しくいつくしむ大慈悲が阿弥陀さまの救いのはたらきであります。そのはたらきを疑いなく聞いていくことが、真実信心であり、生と死の苦しみから解き放たれる道なのです。

宗祖親鸞聖人は、阿弥陀さまの救いを依りどころとして、混迷した世の中にあって、ともにお念仏を喜ぶ仲間を「とも同朋」「御同行」と呼び、苦悩を抱える人々とともに生き抜かれました。私たちの先人はそのお心を受け、「御同朋・御同行」として、み教えをまもり広めていこうと努めてこられました。

阿弥陀さまの慈悲に包まれ、智慧に照らされている者どうしであることを自覚しつつ、親鸞聖人のお姿を鑑として、互いに支え合って生き抜いていくことこそが、私たち念仏者のあり方といえます。

宗門では、親鸞聖人750回大遠忌法要を迎えるにあたり、最高法規である『宗制』と『宗法』の中に、宗門のあり方を明確にしました。その『宗制』には、「本宗門は、その教えによって、本願名号を聞信し念仏する人々の同朋教団であり、あらゆる人々に阿弥陀如来の智慧と慈悲を伝え、もって自他共に心豊かに生きることのできる社会の実現に貢献するものである」と記されています。

専如門主は、ご親教『念仏者の生き方』において「仏さまのような執われのない完全に清らかな行いはできません。しかし、それでも仏法を依りどころとして生きていくことで、私たちは他者の喜びを自らの喜びとし、他者の苦しみを自らの苦しみとするなど、少しでも仏さまのお心にかなう生き方を目指し、精一杯努力させていただく人間になるのです」と具体的な生き方についてご教示くださいました。

また、『伝灯奉告法要御満座の消息』において「私たち一人ひとりが真実信心をいただき、お慈悲の有り難さ尊さを人々に正しくわかりやすくお伝えすることが基本です」と念仏者としての基本的なあり方をお示しになり、『念仏者の生き方』でご教示されたことが、親鸞聖人のお心にかなう歩みであると、その大切さをあらためてお諭しになっています。

さらに『念仏者の生き方』の肝要を「私たちのちかい」として4ヵ条にまとめ、若者をはじめとしたこれまで仏教や浄土真宗にあまり親しみのなかった方々にも、さまざまな機会で唱和してほしいとお勧めくださいました。

現代社会は、人と人との関わりが希薄になり、人々は様々な価値観の違いを認めることができず、互いに対立し時に傷付け合っています。現代の苦悩をともに背負っていくには、変化の速い時代に生きる者として、変わることのないみ教えに基づき、戦争や差別をはじめとする過去の歴史に学びながら、人々の悲しみや現実の苦悩への眼差しを養うことが重要です。私たち念仏者は、立場の違いを認めつつ、誰もが排除されることのない社会をめざしていかなければなりません。

現在、布教伝道の現場では、社会や家族のあり方が急激に変化する中で、真実信心を伝えることが大変難しくなっています。子ども・若者へのご縁づくりや国際的な伝道、法要や葬送儀礼の簡略化をはじめとする変化など様々な困難な課題に直面しています。これらの課題克服に向けて、ご法義が伝えられていくよう一人ひとりの創意工夫が求められています。

また一方、現代社会には続発する災害への対応、エネルギーや環境の問題、経済格差による貧困問題、自死、過疎・少子高齢化、さらにはテロや武力紛争をはじめ非戦平和への課題、差別を含む人権の抑圧などの問題があります。現代社会の諸問題を自らの課題・苦しみとし、念仏者として真摯に取り組んでいくことが大切であります。そのことが、『念仏者の生き方』のお心を体して生きていくことにもなるのです。

こうした山積する課題に仏法を依りどころとして立ち向かっていく具体的な実践によってこそ、『宗制』に定められた「阿弥陀如来の智慧と慈悲を伝え、もって自他共に心豊かに生きることのできる社会」が実現されていくのです。

専如門主は『念仏者の生き方』で、「国の内外、あらゆる人びとに阿弥陀如来の智慧と慈悲を正しく、わかりやすく伝え、そのお心にかなうよう私たち一人ひとりが行動することにより、自他ともに心豊かに生きていくことのできる社会の実現に努めたいと思います。世界の幸せのため、実践運動の推進を通し、ともに確かな歩みを進めてまいりましょう」とお示しになっています。2023(令和5)年には親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要をお迎えいたします。このご勝縁を機縁として、私たちは宗門の英知を結集しながら御同朋の社会をめざす運動(実践運動)を更に推進いたします。

2.スローガン

 「御同朋の社会をめざす運動」(実践運動)の主旨を簡潔に表したスローガンを掲げます。

【 結ぶ絆から、広がるご縁へ 】

3.重点プロジェクト

(1)重点プロジェクトとは

「御同朋の社会をめざす運動」(実践運動)は、『宗制』に掲げる「自他共に心豊かに生きることのできる社会の実現に貢献する」という基本理念を体して、宗門を構成するすべての人が参画し実践する運動です。その推進の中、重点プロジェクトは、実践運動総合基本計画に基づき、社会への具体的な貢献をめざし、実践目標を定め、年限を区切って取り組むものです。

今期は前期を踏襲し、ご親教『念仏者の生き方』のお心を体した宗門全体の実践目標を定め、一体感を持って取り組むこととします。

宗門のあらゆる人々が課題を共有し、各現場が実践目標の達成をめざし、重点プロジェクトが充実したものとなるよう展開していきましょう。

なお、現場において早急に取り組むべき課題は地域差もあり様々です。そのため、引き続き各教区・各組において独自に定めた実践目標を設定していただき、宗門全体の課題と併せて取り組んでいただくことも可能です。

(2)宗門重点プロジェクトの実践目標

<貧困の克服に向けて~Dāna for World Peace~>
              -子どもたちを育むために-

専如門主は、『念仏者の生き方』の中で、世界規模での人類の生存に関わる困難な問題の一つとして、「経済格差」を指摘されています。世界的な経済格差は富の偏在により深刻な貧困問題を引き起こし、実に多くの人々が貧困の状況におかれ悲しみ苦しんでおり、特に弱い立場である子どもや高齢者がその影響を強く受けています。さらに、この経済格差がもたらす貧困の問題は、紛争やテロを引き起こす大きな要素ともなっており、あらゆる人々が共に心安らぐことのできる平和な世界を実現するためにも、積極的に克服すべき課題です。

宗門では戦後70年を機縁として、3年間にわたりあらためて平和への学びを深めて、議論をしてきました。それをふまえ、具体的な四つの平和貢献策を提案し、公聴会等で様々な意見をいただきました。そして、その提案の一つである「経済格差・貧困の克服へ」は、平和実現のため特に国内外での貧困に取り組むよう提案されたものであり、今後注力すべき課題であると総合的に判断しました。

さらに、国際連合でSDGs (持続可能な開発目標)が採択され、「誰一人取り残さない」の理念のもと、貧困問題に取り組んでいます。国内外の様々な組織が連携しつつ、その課題克服へ取り組む中で、宗教者に向けられた期待は高まっています。

これらの現状をふまえ、宗門では、より多くの人や寺院が参画できる取り組みとして、<貧困の克服に向けて~Dāna for World Peace~>-子どもたちを育むために-を重点プロジェクトの実践目標として定め、世界を視野に入れ長期的展望に立ち、お釈迦さま以来、仏教が大切にしてきた「布施」の精神をもとに、できることから実践します。

(3)推進期間

2020(令和2)年度から2023(令和5)年度までの4年間

◇現在3期10年間にわたり取り組みを進めている宗門総合振興計画においても、同様の基本理念を掲げ、三つの基本方針(Ⅰ.仏教の精神に基づく社会への貢献、Ⅱ.自他共に心豊かに生きる生活の実践、Ⅲ.宗門の基盤づくり)に基づく重点項目、及び具体的な取り組みとしての推進事項を設定しています。これまでご縁のなかった人にも伝わる言葉、10年、20年後の日本社会で求められる人の育成、宗教的感動を共有できる法要や葬送儀礼の確立に向けた慎重かつ丁寧な検討、少子高齢化や過疎が進行している地域に所在する寺院への対応、首都圏における伝道推進といった宗門が抱える諸課題にとどまらず、社会情勢の課題にも対応する取り組みを推進しています。

◇宗派公式ウェブサイトから「総合基本計画・重点プロジェクト」・「宗門総合振興計画」・「実践事例」・「基幹運動総括書」等のダウンロードができますので、ぜひご参照ください。

以 上

「御同朋の社会をめざす運動」(実践運動)・重点プロジェクトの さらなる推進<2021年度>

1.「御同朋の社会をめざす運動」( 実践運動) について(これまでの歩み)

「御同朋の社会をめざす運動」(実践運動)は、基幹運動( 門信徒会運動・同朋運動)の成果と課題を踏まえ、『宗制』前文にある「あらゆる人々に阿弥陀如来の智慧と慈悲を伝え、もって自他共に心豊かに生きることのできる社会の実現に貢献する」ことを理念とし、その成果を上げるための運動として、2012(平成24)年度より宗門全体において推進されている。

実践運動における中核的な取り組みである重点プロジェクトにおいては、当初は各教区(特区)・各組が独自に実践目標を設定し、主体的に推進する取り組みであったが、2018(平成30)年度の第3 期目の重点プロジェクトより、宗門全体で一体感を持って活動するための統一の実践目標として、<貧困の克服に向けて~Dāna for World Peace~>-子どもたちを育むために- が定められ、2020(令和2)年度からの第4 期も踏襲され推進されている。

この実践目標は、「自他共に心豊かに生きることのできる社会の実現に貢献する」という宗門の理念・目的を達成するため、さらに仏教徒・念仏者として行うにふさわしい、具体的な平和貢献活動の一つとして、ご親教『念仏者の生き方』のお心を体した重点プロジェクトの取り組みである。宗門全体の取り組みとして、この目標達成に向け全国各地において様々な具体的実践が行われている。

2.今期重点プロジェクトの推進について

2020(令和2)年度より、第4 期重点プロジェクト推進期間に入った。第3 期を踏襲し、<貧困の克服に向けて~Dāna for World Peace~> -子どもたちを育むために-を重点プロジェクトの実践目標として定め、世界を視野に入れ長期的展望に立ち、お釈迦さま以来、仏教が大切にしてきた「布施」の精神をもとに、できることから実践する。

なお、現場において早急に取り組むべき課題は地域差もあり様々である。そのため、従来通り各教区・各組において独自に定めた実践目標を設定して、宗門全体の課題と併せて複数の実践目標に取り組んでいくことも可能とする。

3.2021 ( 令和3 ) 年度の取り組み

2020 年2 月以降、新型コロナウイルス感染症の拡大により、我々の生活様式は大きく変わった。法要は内勤めにて修行されることが増え、年中行事の多くは延期や中止となり、密を避けることから葬儀・法事も多くの人が集まらないなかで執り行われた。また、組会や教化団体などもそのほとんどが会合を開催することができなくなり、実践運動の推進においても困難を極めた。

このような状況の中で、実践目標の具体的な取り組みである、「子どもたちの笑顔のために募金」は2021 年1 月に第2 回目の集計を行い、募金総額は22,045,972 円となり、前回の集計時よりも微増ではあるが、多くの協賛を得ることができた。寺院はもちろん教区や組の実践運動、教化団体の活動の大半が機能しなかったこの時期に、また経済的にも大変厳しいなかにあって、多くの協力が得られたことは特筆すべきことであり、大変ありがたいことである。ご協力をいただいた寺院、門信徒の皆様にあらためて感謝の意を表したい。

第2 回目の集計を受けて、2021 年2 月16 日開催の「子どもたちの笑顔のために募金」管理委員会(以下、募金管理委員会)で、第2 次支援としての支援先や配分などについて協議を行った。

第1 次支援(宗報3 月号掲載)に引き続き国際的には、浄土真宗の有志による海外で活動する団体からの申請に基づく支援と、ネパールのカトマンズ本願寺と連携して、子どもたちのために現地の学校整備(新型コロナウイルス感染症対策として衛生設備を優先)への支援を行う。また、国内では、寺院が主催する子ども食堂や学習支援等の活動を行っている団体や主催者への支援を通して、子どもたちの居場所づくりを応援していく。さらに、浄土真宗本願寺派全国児童養護施設連絡協議会の加盟13 施設で暮らす子どもたちへの支援も決定された。

募金活動が始まった当初は、直接、寺院や個人より振り込まれることが多く、教区や組が中心となった組織的な募金活動が積極的に展開されている状況にはなかった。今年度は活動が、より中央・地方の一貫した取り組みとなり、さらなる奨励につながるよう、教務所長・組長、また教区・特区・組の重点プロジェクトリーダーによる募金体制の強化を図り、より多くの方の協力を得て募金活動を進めていきたい。

募金以外の活動については、自死問題への取り組みを進める。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い外出自粛や生活環境が変化したことにより経済的困窮や孤立が深まり、前年比で減少が続いていた国内の自死者の数が増加に転じている。10 代20 代の若者、特に女性の自死の増加率が大きくなっており、小中学生の自死も増え、深刻な社会問題となっている。様々な「生きづらさ・悩み」を抱える子ども・若者へのフォローが必要である。この課題に向き合い対応すべく、宗門に関係する京都自死・自殺相談センターSotto 等と連携し、活動・相談窓口などを掲載したカードやその他印刷物を通じて全国の寺院へ周知していく。全日本仏教会が発行している機関紙、『全仏』( №649)には、「宗派の電話相談なども必ずお寺のどこかに貼ってもらう。そうすると掛けなくてもなんかあったらここがあるという安心感があるのだ」という記事も掲載されている。

併せて、重点プロジェクトリーダーを中心に、研修協議会において自死問題を取り上げ、理解を深めることとし、さらにその知見をより広く伝えるために、各教区での組重点プロジェクトリーダー研修協議会の開催を促し、意識啓発を進めていきたい。

本年度も地方における実践運動推進に資するため「教区・特区実践運動推進助成金」「組実践運動推進費」「組重点プロジェクト推進助成金」の交付や、「講師派遣制度」、「連区協議会開催助成金」「重点プロジェクトリーダー推進事務助成金」などの支援を行い、地方における実践運動推進の一助としていきたい。

ご親教『念仏者の生き方』において、「世界の幸せのため、実践運動の推進を通し、ともに確かな歩みを進めてまいりましょう」とお示しのお心を体し、来る2023(令和5)年の親鸞聖人御誕生850 年・立教開宗800 年慶讃法要厳修に向けて、宗門の皆さまの理解と協力を得ながら、さらに「御同朋の社会をめざす運動」(実践運動)及び重点プロジェクトを強力に推進する体制を整えていきたい。

以 上

福岡教区総合基本計画

「御同朋の社会をめざす運動」(実践運動)は今年度から第4期が始まり、今期から期間が4年間となります。初年度は新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、教区の活動が一時休止していたことから教区委員会の始動が遅れました。徐々に活動再開していく中で、最善の感染防止対策を講じながら運動推進に向け取り組みを進めていきます。

これまでの3期8年間を振り返ると、設定した目標を実践することで社会への貢献を図り、それによりみ教えや教団の活動を世間に広く知ってもらう成果があった一方で、実践することが運動の目的となってしまい、「お念仏をいただく私が、なぜその実践目標に向けて行動していくのか」といった運動の根幹が置き去りにされてきた課題も見えてきます。

それは「自他共に心豊かに生きることのできる社会の実現に貢献することを目的とする」(宗法 第2条)とあるように社会貢献が目的となってしまい、且つ専如門主が伝灯奉告法要で発布されたご親教「念仏者の生き方」が前面に大きく出されたことにより、現実の苦悩や課題から学び展開されていくはずの運動が、実践ありきの運動になっているのではないでしょうか。

「御同朋の社会をめざす運動」(実践運動)はまだまだ構築途上の段階です。運動の理念が御同朋の社会の実現であるならば、その活動や行動はみ教えに問い聞き学び展開されなければなりません。実践目標を私たちひとりひとりが担う課題として運動が推進されるよう、取り組みを進めていきます。

宗門重点プロジェクトの実践目標

 

<貧困の克服に向けて~Dāna for World Peace~> 
-子どもたちを育むために-

専如門主は、『念仏者の生き方』の中で 、世界規模での人類の生存に関わる困難な問題の 一つとして、「経済格差」を指摘されています。世界的な経済格差は富の偏在により深刻な貧困問題を引き起こし、実に多くの人々が貧困の状況におかれ悲しみ苦しんでおり、特に弱い立場である子どもや高齢者がその影響を強く受けています。さらに、この経済格差がもたらす貧困の問題は、紛争やテロを引き起こす大きな要素ともなっており、あらゆる 人々が共に心安らぐことのできる平和な世界を実現するためにも、積極的に克服すべき課題です。

宗門では戦後70年を機縁として、3年間にわたりあらためて平和への学びを深めて、議論をしてきました。それをふまえ、具体的な四つの平和貢献策を提案し、公聴会等で様々な意見をいただきました。そして、その提案の一つである「経済格差・貧困の克服へ」は、平和実現のため特に国内外での貧困に取り組むよう提案されたものであり、今後注力すべき課題であると総合的に判断しました。

さらに、国際連合でSDGs(持続可能な開発目標)が採択され、「誰一人取り残さない」の理念のもと、貧困問題に取り組んでいます。国内外の様々な組織が連携しつつ、その課題克服へ取り組む中で、宗教者に向けられた期待は高まっています。これらの現状をふまえ、宗門では、より多くの人や寺院が参画できる取り組みとして、<貧困の克服に向むけて~Dāna for World Peace~>-子どもたちを育むために-を重点プロジェクトの実践目標として定め 、世界を視野に入れ長期的展望に立ち、お釈迦さま以来、仏教が大切にしてきた「布施」の精神をもとに、できることから実践します。

この宗門重点プロジェクトの実践目標については、設定当初の2018(平成30)年度に「教区重点プロジェクト推進のための学習会」が開催され、宗派の出向者から説明や解説がなされ取り組み案なども提示していただきました。既にこの課題に取り組み活動されていた寺院や僧侶・門信徒もおられますが、この重点プロジェクトが設定されたことにより、こども食堂やおてらおやつクラブ、子どもたちの笑顔のために募金といった活動を新たに始めた方々も出てこられました。また、今期から教区と組にそれぞれ重点プロジェクトリーダーを選出して、プロジェクト推進への取り組みを進めていくことになりました。

しかしながら、貧困とは経済格差から派生した問題ばかりではなく、前述の学習会でも提示されたように非戦平和や差別の課題とも繋がることでもあり、その内実はしっかり学んで知ることが必要でしょう。

教区の実践目標 貧困を克服するために:御同朋の社会をめざす私たちの取り組み

「教区重点プロジェクト推進のための学習会」において、貧困は非戦平和や差別の課題と密接に繋がることが提示されました。戦争や差別は安心して幸せに生きたいという願いを奪い分断や格差を作り出します。そして、その戦争と差別は、宗門が1986(昭和61)年から2012(平成24)年まで推進してきた基幹運動でも取り組んできたように、私たちが担わなければならない課題です。私たちの宗門は戦争に協力し、差別を行ってきました。それは、全てのいのちや存在は阿弥陀如来の願いに照らされたなかまであるといったみ教えに背く行為であり、宗門が同朋教団として再生していくために自らを点検、確認、反省、謝罪、是正しなければならないと基幹運動を推進してきました。

御同朋の社会をめざす運動(実践運動)では、阿弥陀如来の願いに照らされた私たちが、敬い合い、支え合い、認め合いながら共にいのちを歩んでいく社会をめざすための実践が問われます。専如門主は、伝灯奉告法要初日のご親教『念仏者の生き方』において「仏さまのような執われのない完全に清らかな行いはできません。しかし、それでも仏法を依りどころとして生きていくことで、私たちは他者の喜びを自らの喜びとし、他者の苦しみを自らの苦しみとするなど、少しでも仏さまのお心にかなう生き方を目指し、精一杯努力させていただく人間になるのです」と示されました。阿弥陀如来の願いに自らの姿を照らし合わせたとき、他者と関わり合いながら生きるこの社会の様々な課題を私の課題としていく歩みが問われます。その問われる歩みが実践として行動に表れ、御同朋の社会をめざす営みとなるのです。

貧困の課題と向き合うことは、私たちが同朋教団として再生していくことが問われます。貧困の克服に取り組み戦争や差別の課題に向き合うとき、自らの過ちを棚に上げて社会を問うことはできません。教区委員会において僧侶研修会や連続研修会を推進し、戦争犠牲者追悼法要を厳修しているのは、私たちの宗門が同朋教団としてあるべきために大切なことであるからこそ続けられています。このような取り組みを教区委員会では各部門においてより一層推し進め、また組においても実践していただくように働きかけていきます。

貧困の克服にむけて、こども食堂やおてらおやつクラブ、子どもたちの笑顔のために募金などといった活動で現場の状況に対応しながら、戦争や差別を私たちの課題として担いながら、御同朋の社会をめざして取り組みを進めてまいりましょう。

以 上

福岡教区 重点プロジェクト(目標達成)

スローガン 結ぶ絆から、広がるご縁へ



重点プロジェクト
実践目標 <貧困の克服に向けて ~Dāna for World Peace~ >
-子どもたちを育むために-
期  間 2020(令和2)年度~2023(令和5)年度
達成目標

①各組・各寺の貧困問題への取り組みに対して継続可能な支援体制を確立する。

②貧困問題への取り組みを始めとする社会貢献について教学的意義を明らかにする。

推進計画 2020
(令和2)
年度

○過去2年間の貧困問題への取り組みについてアンケートなどを実施しそこから明らかとなる課題を明確にする。

○教区内の各組・各寺が行っている貧困問題への取り組みを調査する。

○実践運動への教学的な見地からの視点を整理する。

2021
(令和3)
年度

〇貧困問題への取り組みで明らかとなった課題を解消していくために研修会を開催する。

〇各組・各寺が求める教区の支援の在り方を情報交換会等を通して明確にする。

〇実践運動への教学的な見地からの視点を整理する。

2022
(令和4)
年度

〇教区の支援体制を立ち上げ、制度的に運用していく。

〇実践運動へ取り組む意義を教学的見地から研修会等を通して周知する。

2023
(令和5)
年度

〇教区の支援体制の問題点を明らかにし、支援を継続できるよう改善する。

〇実践運動へ取り組む意義を教学的見地から研修会等を通して周知する。

以 上

各組 実践目標一覧<2020(令和2)年度~2023(令和5)年度>

No 組 名 実践目標
福岡組 確実に「できる努力」を重ねて、信頼関係を構築する。
実践目標②:何を誰に、どのように伝えるかを考え企画・実行する
志摩組 念仏の声を次世代に継承するための取り組みを深化・発展させよう!
怡土組 <東日本大震災をはじめとする被災者への支援>
~あらゆる被災者への対応に向けて~
<実践目標②:貧困の克服に向けて ~Dāna for World Peace~>
-子どもたちを育むために-
早良組 <日常における寺院活動、人々の悩みに寄り添う寺院活動>
上下組 【新たな地域社会におけるお寺のご縁づくり】
<傾聴活動と、離郷門信徒とのご縁づくりに向けて>
<実践目標②:子どもの貧困に向けて、宗教的情操を育む>
~「子ども報恩講」「児童念仏奉仕団」を通して~
宗像組 <貧困の克服に向けて ~Dāna for World Peace~>
-子どもたちを育むために-
<実践目標②:あらゆる災害の被災者への支援>
御笠組 <貧困の克服に向けて ~Dāna for World Peace~>
-子どもたちを育むために-
<実践目標②:あらゆる災害に対する被災者の支援>
<実践目標③:人生儀礼を通しての同朋教団の再生を考える>
夜須組 <貧困の克服に向けて ~Dāna for World Peace~>
-子どもたちを育むために-
嘉麻組 <貧困の克服に向けて ~Dāna for World Peace~>
-子どもたちを育むために-
「貧困の克服・格差の解消のために差別問題を学び直す。」
10 東筑組 <貧困の克服に向けて ~Dāna for World Peace~>
-子どもたちを育むために-
<実践目標②:日常の寺院活動の充実>
門徒・僧侶・寺族は、常に親鸞聖人の生き方にまなび人と人とのつながりを深め、お寺を中心とした、ご縁社会を少しでも復活させる。
11 遠賀組 <貧困の克服に向けて ~Dāna for World Peace~>
-子どもたちを育むために-
<実践目標②:御同朋の社会の実現>
-共なるあゆみを-
12 三門南組 <高齢社会> お聴聞を通してお念仏の輪を広げる
<実践目標②:災害支援> 被災者への支援
<実践目標③:貧困の克服に向けて ~Dāna for World Peace~>
-子どもたちを育むために-
13 三門北組 <あらゆる災害に対する被災者の支援>
14 柳川組 <貧困の克服に向けて ~Dāna for World Peace~>
-子どもたちを育むために-
15 八女組 <貧困の克服に向けて ~Dāna for World Peace~>
-子どもたちを育むために-
<実践目標②:災害支援 募金活動>
16 下川東組 <貧困の克服に向けて ~Dāna for World Peace~>
-子どもたちを育むために-
<実践目標②:日常の寺院活動 ~目の前の困った人を見捨てない~>
17 鞍手組 <災害支援>
<実践目標②:葬送儀礼>
<実践目標③:貧困の克服に向けて>
18 粕屋組 <貧困の克服に向けて ~Dāna for World Peace~>
-子どもたちを育むために-
格差貧困問題への学び・取り組み
<実践目標②:葬送儀礼>
<実践目標③:「御同朋の社会」実現への取り組み>
19 那珂組 <災害支援:東日本大震災をはじめとする被災者への支援>
20 西嘉穂組 <平和と平等のサンガをめざして~3.11を忘れない~>

以 上

福岡教区委員会 機構図

以 上

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