ご法話

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2019年8月の法話

2019年8月の法話

石松昭信 本願寺派布教使 御笠組 栄法寺

私は今年で63歳になります。まさに光陰矢の如し、歳月人を待たずです。同級生に会うと「お互いあと何年生きられるかな」「最近身体のあちこちが痛い」と老いと病の話題となり暗い気持ちになります。しかしこの言葉を聞いたとき目から鱗が落ちましました。
~老人は幸福になれない、老人になれたことが幸福だから~。起きた出来事は一つであってもそれを受け取る心はそれぞれです。老いてしみじみと頂ける人生の味わいがあります。
~死ぬでなし生まれ変われる浄土ありと聞けば楽しき老いの日々なり~との言葉も聞いたことがあります。さきにお浄土に参られた方々を想うことが増えて来ました。お浄土は私の本籍地、娑婆は現住所です。この人生は里帰りのように、阿弥陀様と共に歩ませていただく人生です。ご門徒のかたで昔、田辺さんというお婆さんがおられました。このかたは臨終のとき子や孫たちにこう言われて亡くなられました。「あたしは死ぬっちゃなかとばい、お浄土に参らせてもらうと、そしたら忙しくなるばい、あんたたちに仏法を伝えにまた還ってくるばい」還相回向の教えを身をもって教えてくれました。故大原麗子という女優の母の口癖は「麗子、時間はどんな人にも平等に流れている、時間を大切にしなさい。」100歳で死を迎えられた方も「人生は一瞬だった」と言います。この短い命を阿弥陀様、還相回向の亡き人々と共に、ありがとう、おかげさまの心で生き抜きたいものです。

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